平均80歳Vチューバー、敬老の日に「婆ちゃるライブ」

9月18日は敬老の日。人生100年時代のアクティブシニアはメタバース(仮想空間)でもアクティブだ。平均年齢80歳のVチューバー(バーチャルユーチューバー)アイドルグループ「メタばあちゃん」が、敬老の日に「婆ちゃるライブ」を開催する。若いアバターに不釣り合いな熟成された歌声で、観客の心を奪っちゃる。
(日本経済新聞 9月18日)

高齢者のネット空間への進出は著しい。ユーチューバーだけでなく、Vチューバーのグループも現れた。ユーチューブでも画像を加工することはできるが、Vチューバーであれば、アバターとしてメタバース内に登場するので、外見は如何様にも作ることができる。そこで生まれるのは実際の年齢や容姿とは無関係な人間関係だ。空間内の建物やアバターの外見は仮想でも、そこで構築される人間関係は実在している。

身体に制約のある高齢者にとっては、メタバースは、その制約を取り払って、やりたいことの実現を可能にする世界だ。「メタばあちゃん」の「婆ちゃるライブ」のように、実空間の距離や世代の壁を越え、多くの人々と繋がることができる。

同様に、メタバースを仕事場とすれば、高齢者のできる仕事の幅は広がる。製造業ではメタバース内に実際の工場を再現するデジタルツインを作るなど、業務での利用が進んできた。メタバース内で仮想展示場を運営している企業も多い。こうした仮想空間では、高齢者や障害者も身体的能力による制約を受けずに仕事をすることができる。メタバースが普及すれば、高齢者でも、ハンディキャップを意識せずに、同僚や顧客と自由に関係を構築することができるようになるだろう。