スマホ操作を友と教え合い、91歳が旗振り

社会のデジタル化を政府が推進する一方、オンライン手続きに必要なスマートフォンなどの操作につまずき、疎外感を味わうお年寄りは多い。情報格差が広がらないよう、福岡県志免町のシニアクラブでは91歳が旗振り役となり、高齢者同士で教え合い、悩みを共有している。専門家や若者に頼らず、忘れても仲間内で何度も尋ね合える気安さが好評だ。
(日本経済新聞 8月1日)

スマホを持っていることを前提にした個人向けITサービスが増えている。個人認証もスマホがないとできないことが多い。一方、高齢者の中には、スマホを操作できない人も一定数存在する。スマホを使ってITサービスを便利にしたはずが、逆に、サービスを使えない人を生みだしている。

こうした中、スマホの楽しさや利便性を実感しながら、その操作を学ぶ機会を提供することは重要な取り組みだ。高齢者同士で教え合うのであれば、どんな機能に魅力を感じるのかを分かり合うことができ、その共感が、学習意欲の源泉ともなる。機能の説明だけなら、生成AIが進化すれば、スマホ自身が音声で教えてくれる時代になるだろう。しかし、共感する力は、高齢者同士のコミュニティーに一日の長がある。こうした、高齢者同士のコミュニティーの形成と運用は、恐らく、仕事上での学習にも応用することができる。