シニアの有業率上昇、65〜69歳は初めて5割超

総務省が21日に発表した2022年の就業構造基本調査によると、65歳以上の男女の有業率は25.3%で17年の前回調査から0.9ポイント高まった。男性は前回比0.6ポイント上昇の34.5%、女性は1.1ポイント上昇の18.2%と伸び率では女性が上回った。近年の人手不足を受け、シニア層の活躍が社会の生産性維持に欠かせなくなってきた。60歳以降の定年延長のほか、定年を迎えても働く人は増えた。年齢別でみると65〜69歳の22年の有業率は前回比5.4ポイント上昇の50.9%で初めて5割を超えた。70〜74歳も前回比で4.3ポイント高まって33.3%と3割を超え、過去最高を更新した。
(日本経済新聞 7月22日)

5年ごとに発表される就業構造基本調査、今回も、65歳以上の有業率の上昇が続いていることが確認された。今後は、新型コロナウイルスの影響もなくなり、高齢者の有業率はさらに上昇しそうだ。特に、65~69歳では過半数が仕事に就いており、働くことが普通になった。待遇の面でも、65歳までは大きく引き下げない企業が増えている。今までの「60歳定年、65歳まで再雇用」という制度が、5歳上方にシフトして、65歳以上が高齢者枠という扱いだ。

また、今回の就業構造基本調査では、テレワークの実施の有無や頻度、場所などについても調査した。有業者の19%が過去1年の間にテレワークを実施しており、その多くが自宅からテレワークを行っている。現状では、25~45歳の層がテレワークの比率が高いが、今後、高齢者層にも利用が広がれば、高齢者の雇用の機会もさらに拡大されるだろう。