ソニー、第2のキャリアに伴走 50代社員向けインターン
ミドル・シニア社員の「第2のキャリア」を支える企業が増えている。ソニーグループは50歳代の社員が自ら望む社外での就業体験やリスキリング(学び直し)を提供し、新たな職種や起業を後押しする。ANAホールディングス(HD)も専門研修を導入した。定年後も踏まえ、長くなるキャリア後半戦につながる挑戦を促し、ベテランの意欲や活躍を引き出す。
(日本経済新聞 7月20日)
第2のキャリアが自社グループの仕事につながるか否かに関わらず、社員自身が望むキャリアの形成を企業が支援することは、企業にとっても重要なことだ。既存の事業と直接関係がなくても、社内に多様な仕事を担う人材がいることは、新たな事業の開拓の可能性を広げることにつながる。中核事業以外の事業から撤退し、足元の業績を向上させることが必要な局面もあるが、現在のコア事業に傾注し過ぎると、事業環境の変化に対応できなくなるリスクもある。生物の多様性が自然環境の変化への対応で重要なのと同じだ。
人材や事業の多様性を担うのには、シニア社員の方が適している。既存事業を経験した上で新規事業に踏み出すことで、一定の継続性が担保される一方、第2のキャリアであるため、事業選択の自由度が高い。第1のキャリアのただ中にいる40代より冒険ができる。企業は、このシニアのチャレンジ精神を支援し、活用すべきだ。