介護難民、2050年に400万人 団塊ジュニアの老後厳しく
人口が1億人を割る2056年の日本は、3750万人が65歳以上になる。成人の18歳から64歳までは5046万人で、1.3人の現役が1人の高齢者を支える未曽有の高齢化社会がやってくる。介護が必要な人は50年度に941万人に膨らみ、介護をする人は4割も足りない。今よりさらに「老々家族介護」の時代がくる。
(日本経済新聞 6月18日)
外国人を一定程度採用するとしても、介護する人の不足は補えない。そして、今の介護制度のままでは、介護をする人の不足が、介護の質と量を低下させることになる。したがって、この問題の解決には、生産性を向上させて、少ない人手で介護サービスの質と量を維持することが必要だ。
生産性を向上させる手段としては、ITやロボットの活用が期待されている。運動の介助にはロボット、見守りにはセンサーなどのIoTが役に立つ。加えて、近年、急速に進化している生成AIを使えば、精神的なケアを支援することができる。介護の負担が大きくなる要因としては、寝たきりと認知症があるが、寝たきりはロボットが介護を物理的に支援し、認知症はAIがコミュニケーションの相手をしながら悪化を防ぐことで、介護員の負担を軽減させることは可能だ。こうした技術が介護施設に普及すれば、少数の高齢の介護員でも多くの作業をこなすことができ、引いては、家庭での老々介護の支援にも繋がる。