シニア世代の経験や知恵が保育の場で生きる「グランドシッター」
民間の資格「グランドシッター」、保育士が不足し負担が大きくなる今、注目されている資格だ。
(中略)
保育士たちに混じって子どもたちに絵本を読み聞かせている男性がいる。「SUN・さん保育園」の園長・日下部陽一さんだ。日下部園長は、園のトップではあるが、保育士の資格は持っていない。持っているのは「グランドシッター」の資格だ。グランドシッターは民間の資格で、忙しい保育士の補助として主に子どもの遊び相手などを担当する。いま定年後のセカンドキャリアとしてこの資格を取得するシニアが増えていて、人材確保に悩む保育業界で新たな担い手として期待されている。
(FNNプライムオンライン 6月9日)
グランドファーザーやグランドマザーが家庭で孫の世話をするように、グランドシッターは保育園で子ども達の世話をする。かつて、三世代が同居する大家族で見られた光景が、保育園の中で見られるようになってきた。
保育園における保育補助は資格がなくてもできるが、担当者の能力や知識にばらつきがあると組織運営が難しい。その点、グランドシッターは、一般社団法人日本ワークライフバランスサポート協会が主催する民間資格だが、一定の知識を持った人であることの証にはなる。この資格の取得は、保育園にとっては採用時の参考情報となるし、未経験のシニアにとっては保育の実態を予め知る機会となる。その結果、保育園と採用されるシニアとのミスマッチは軽減されるだろう。保育に限らず、介護や家事支援など、他のサービスでも、このような資格が広がることが期待される。