シニアの青春、歩くサッカー、ゆっくり卓球
俺も若い頃はちょっとした選手でな……と過去を振り返る必要はもうない。シニアが若者に交じり、主役になれるスポーツに注目が集まっている。走らないサッカーや球の大きい卓球など、老若男女が身体能力の差を超えて楽しめるようルールや用具に工夫がちりばめられる。
(日経MJ 6月4日)
陸上競技や水泳のように、タイムを競う競技は、年齢や性別によって優劣が左右され、老若男女が身体能力の差を超えて楽しむことは難しい。そのため、年齢別、男女別のように、参加者の属性をセグメント化して競技を行うことになる。しかし、対戦相手と得点を競う競技は、ルールや用具を工夫することで、年齢や性別のハンディキャップを埋めることができる。
スポーツの楽しさの源泉が勝利を目指して競い合うことにあるとすれば、参加者が対等に競える環境が存在することが楽しいスポーツであることの要件だ。走るのを禁じたウォーキングサッカーやラージボールを使った卓球は、元々の競技に工夫を加えて高齢者でも若い人に勝つことのできるスポーツに進化した。これらのスポーツを通じて年齢を超えた交流が始まっている。スポーツに限らず、趣味や仕事で年齢を超えて参加できるコミュニティーを形成するには、年齢によるギャップを埋める工夫が重要だ。