高齢者の健康にeスポーツ 難易度「かんたん」で楽しく
首都圏で高齢者のフレイル(虚弱)予防にテレビゲームなどの「eスポーツ」を導入する施設が増えている。認知機能や社会的なつながりの回復が期待されており、自治体も旗振り役となって推奨する。ゲームが健康に悪いとされたのも今は昔。フレイル予防役として注目を集めている。
「頑張って」「すごい、連続でたたけている」――。2月、神奈川県横須賀市内の次世代型ICT(情報通信技術)教育施設「スカピア」で60〜70代の男女10人が集まり、熱い声援が飛び交った。太鼓を使ったリズムゲームを活用した高齢者向けeスポーツ大会だ。チーム対抗の試合は白熱。中には家でラップの芯を使って自主練してきたという人もいた。
(日本経済新聞 6月1日)
高齢者がeスポーツをすることも普通になってきた。最初は趣味のサークル活動で楽しむことが多かったが、今や、自治体の施設や民間の高齢者施設でもeスポーツが行われている。
従来から、繁華街のゲームセンターでは、日中、高齢者の姿が多く見られていた。アーケードゲームは、パチンコのように利益を得ることはできないが、大きく損をすることもない。何より、顔見知りができて仲間と一緒にプレーできることが楽しい。
ゲームセンターのアーケードゲームがeスポーツのネットワークゲームになっても、同じ施設に仲間が集まって行えば、楽しさは同じだ。加えて、ネットを介して遠隔地のチームとも対戦できるので、参加するゲームコミュニティーは格段に大きくなる。ゲームをしても、体を使うことは少なく、体力改善には繋がらないかもしれない。しかし、大きなコミュニティーの中で交流を深め、その中でより良い成果を目指して挑戦することによって、精神的には若返ることができる。それが、生活をより活動的にし、結果的に健康寿命を延ばす。趣味でも仕事でも挑戦意欲を持ち続けることが重要だ。