スポーツクライミングやサーフィン挑戦、五輪新競技を楽しんで続ける
4月中旬の平日、エナジークライミングジム浦和店(さいたま市)を訪れると、男性(70)が「ホールド」と呼ばれるカラフルな突起がついた人工壁を素手でつかみながら登っていた。男性は「頂上まで登り切ったときの達成感が気持ちいい」と笑顔を見せる。
(中略)
「世界最高齢のサーファー」として22年7月時点で、ギネス世界記録に認定されたのが神奈川県在住の佐野誠一さん(89)だ。佐野さんがサーフィンを始めたのは80歳のとき。富士山登頂後にふと思い立ち、スクールに申し込んだという。以来、季節を問わず同県藤沢市の江の島の海岸に通い、自称「さざなみサーファー」として小さな波を楽しんでいる。
(日本経済新聞 5月10日)
五輪に新競技として採用されるということは、競技人口が大きくなったスポーツであることの証だ。一般的に、競技人口が多ければ、その中のシニアの数も大きくなる。しかし、スポーツクライミングやサーフィンでは、高齢になってから始める人が多いのには、少なからず驚かされる。どちらも、一定の体力やバランス感覚を必要とされる競技であり、高齢になってからでは習得が難しそうに思われるが、そのハードルを越えて競技を楽しむシニアは少なくない。
恐らく、難なくハードルを越えているわけではなく、習得には相応の努力が必要だっただろう。しかし、楽しいという感情が強ければ、努力は難ではなくなる。仕事も同じだ。高齢になってから新しい仕事を始めるのは大変かもしれないが、それを楽しむことができれば、大変さは軽減される。趣味も仕事も、まずは、新しいことに挑戦すること自体を楽しむことが重要だ。