介護会社発、健康志向の手作りコーラ「高齢者雇用にも」

手作りのコーラ「クラフトコーラ」を三重県伊勢市の福祉介護会社が作り、販売を始めた。着色料、保存料、香料を使用せず、3年がかりで開発。値段は少々お高いが、健康志向が受けて、予想以上の売れ行きを見せている。
 開発を手がけたのは、車いすやベッドのレンタル事業を展開している「グッド・ナル」。社長の成瀬和久さんは以前から、農業に携わっている高齢者は元気だと感じていた。休耕地を利用して農作物を栽培し、高齢者の雇用につなげられないか検討していた。
(朝日新聞デジタル 5月10日)

各地で地域の強みを活かした産業の活性化が行われている。地方でそれに成功するには、潤沢にある農地と高齢者の活用がポイントだ。伊勢市のグッド・ナルは、ショウガや唐辛子を地元農家に栽培してもらい、これらを原料とするクラフトコーラを製造した。原料栽培では高齢者が活躍している。

グッド・ナルは介護会社であり、コーラも農業も専門外だ。しかし、異業種だからこそ、新たなアイデアに気づくことも多い。今までとは異なる発想で事業を創造するには、異業種の企業が持つ経営やマーケティングのノウハウが役に立つ。このクラフトコーラの場合は、イセカルダモンコーラというネーミングで伊勢の土産物としてポジショニングし、地元の店舗の他、ネットでも販売するなど、高齢の農家だけでは難しい新たな発想をマーケティングに取り入れた。このアプローチは、他の地域でも参考になるだろう。