ローソン、定年65歳へ 年60人対象見込み 来年度から
ローソンは2021年度から定年を60歳から65歳に延長する。コンビニエンスストア業界では24時間営業の見直しなどで本部による加盟店へのサポート業務などの重要性が増し、経験が豊富なシニア社員の活用が欠かせないためだ。
70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法が成立するなか、高齢者の就労支援を強化する狙いもある。
現在、60歳以上の雇用は再雇用の形態で対応していた。ローソンの2月末時点での社員全約4600人の平均年齢は40.4歳で、年間約60人が定年延長の対象となる見込みという。
どのような業務を担ってもらうかは今後検討する。延長により、就労期間の長い従業員が安心して働き続けられるようにする。
(日本経済新聞 4月23日)
成長を続けてきたコンビニ業界は、日本の中では従業員の年齢が比較的若い業界だ。しかし、国内のコンビニ市場は、既に飽和し、大きな成長は見込めない。新卒の確保の難しさも相まって、従業員の年齢は、今後、高くなっていくだろう。
この状況を踏まえて、ファミリーマートは全従業員の約1割に相当する800人のリストラに踏み切った。一方、ローソンは、定年を延長して高齢の従業員を確保しようとしている。業界内でのポジションが異なることから、どちらの施策が良いかは一概に言えない。どちらも一定の合理性がある。
ただ、おそらく、本部の管理部門はICTの活用によって人員のスリム化を図り、加盟店をサポートする営業部門の陣容は強化するというのが、各社共通の施策となるだろう。その中でも、加盟店サポートは長年のノウハウが活きる業務だ。
コンビニ業界が全店24時間営業の戦略を捨て、個々の店舗の立地条件に最適化した店舗経営に転換するとなれば、特に、個別サポートの重要性は増す。高齢の営業支援スタッフの活躍の場も、今後、拡大するに違いない。