82歳の現役美容研究家が語る、これからの生き方
シニア起業で第2・第3の人生に挑戦する生き方を紹介した『これはしない、あれはする』が、2017年12月27日(水)に発売された。
平均寿命が延び、人生100年時代と呼ばれる時代になった昨今。定年といわれる60代はまだ元気で、そこから先の人生を“老後”として生活するにはあまりに長すぎる。増税や「高齢者雇用安定法」の改正が進む現在、“シニア起業”で人生を豊かに過ごす人が増加しているという。シニア起業で一生楽しく働く生き方は、これからの時代の先駆けであり、働く女性たちのキャリアの手本にもなると言える。
著者の小林照子は、シニア起業を成功させた82歳の現役美容研究家。同書のメッセージである「人はいくつになっても、新しい人生をはじめられる」を自ら体現している人物だ。同書では、前半に「くらべない」「欠点を隠さない」「持ちすぎない」など“しないほうがいいこと”、後半に25個の「新しいものを取り入れる」「若い人に学ぶ」「天命を知る」など“したほうがいいこと”を紹介していく。
(ダ・ヴィンチニュース 1月19日)
この本の筆者の小林照子氏は、コーセーの取締役を退任した後、56歳で「美・ファイン研究所」、75歳で青山ビューティ学院高等部を設立した。誰もがシニア起業に成功するとは限らない。しかし、小林氏のように、過去の経歴、知識、人脈を活用しながら、「しないほうがいいこと」と「したほうがいいこと」を峻別して、「したほうがいいこと」を無理せず地道に実行していくと、自然に目指すゴールにたどり着くことも多い。
成長を追い求めIPOで巨万の富を得ることを起業のゴールにすることも悪いことではない。ただ、そのためには、他社と比べて比較優位を確立するために欠点をカバーし、そうするために巨額の資金など多くの経営資源を集めることになる。結果、リスクも拡大の一途を辿り、破綻する可能性も高くなる。
一方、シニア起業では、「成長よりも社会貢献」というビジョンを掲げることが多い。成功するシニア起業とは、小林氏の言う「したほうがいいこと」を実践していると、自然にたどり着くことのできる地点をそもそもゴールに設定した起業なのかもしれない。