「人生再設計」可能な社会を、経済再生相

茂木敏充経済再生担当相は9日、報道各社のインタビューに応じ、少子高齢化が進む日本が持続的な経済成長を実現するため、「個人の人生の再設計が可能な社会を目指す」と述べ、安倍政権が掲げる「人づくり革命」に力を入れる考えを示した。
茂木氏はこれからの日本について「65歳まで働いた後、老後を過ごす単線的な人生は想定しづらい」と指摘。一度、社会に出た人間が大学で学び直す「リカレント教育」の普及など、意欲があれば年齢に関係なく活躍できる仕組みの重要性を強調した。

一方、茂木氏は世の中の変化に合わせて「安心して暮らせる社会を構築しなければならない」と語り、雇用のセーフティーネット整備にも力を入れる考えを示した。
(時事通信 8月9日)

インダストリー4.0や第4次産業革命などの言葉に代表されるように、今や、日本を含めて世界の産業構造が大きな変革を余儀なくされる時代となった。こうした変動の時代には、「人生の再設計」は必要不可欠なものだ。学校を卒業して社会に出た時点で、自分が65歳になったときの自分と自分を取り巻く社会環境を正確に予測するのは不可能だ。激動の時代に生きる人は、自分の想いや世の中の動きに合わせて、いつでも人生を再設計する柔軟性を持たなければならない。

そして、社会としても、各個人の人生の再設計を支援する仕組み作りが重要だ。社会人が大学に戻ってくるリカレント教育はOECDが推進する生涯学習の形態だが、日本としても官民を含めた社会全体で取り組む必要がある。さらに、社会人として働きながら大学でも学ぶコンカレント教育も大切だ。多様な選択肢を用意して、多様な人生の設計図作りを支援すべきだ。