中高年の就労支援 北九州にシニア・ハローワーク
福岡労働局と北九州市は、同市戸畑区に50歳以上の中高年齢者の就労を支援する「シニア・ハローワーク戸畑」を8月29日に設置する。シニア世代を対象にしたハローワークは全国で初めて。少子高齢化が進む中、中高年の就労機会を確保し、地域の活性化につなげる。
福岡労働局によると、北九州地域のハローワークに求職登録している人の半数近くが45歳以上で、全国の政令市の中でも高齢化が目立つという。「ハローワーク八幡戸畑」の分庁舎内に専用ブースを設けて相談員ら計4人を配置する。
市の就業支援機関と連携し、職業相談や求人情報の提供を行う。常勤雇用から派遣、ボランティアなど求職者の幅広いニーズに応える。市外からのUターンやIターンにも対応する。
シニア・ハローワークの設置は、4月の国家戦略特区の諮問会議で、北九州市の計画案が承認された。北橋健治市長は記者会見で「シニアが活躍し、いきいきと暮らす環境を整えることは重要だ。『生涯活躍のまち』の大きな柱にしたい」と語った。
(産経ニュース 7月28日)
シニア向けの支援を強化しているハローワークは多い。しかし、北九州市の取り組みは、首都圏にも事務所を開設し、市外からのUターンやIターンにも対応している点でユニークだ。
首都圏や関西に住む九州出身者の中には、定年退職後に九州に帰りたいと思っている人も少なくない。また、九州出身でなくても、九州に住んでみたいと思っている人もいるだろう。シニア・ハローワークが、こうした潜在的なニーズを吸い上げ、九州での就労につなげることができれば、求人、求職の双方にとって有意義だ。
このようなハローワークが、国家戦略特区の中だけでなく、全国で展開できるよう、早急に規制緩和されることが望ましい。