会社に守られてきた時代から自分の身は自分で守る時代
1981年、早稲田大学商学部卒業(専攻:管理会計)後、三井住友銀行に入行(当時 住友銀行)。主に国内の法人業務を本店・支店で経験する一方、証券業務から官公庁渉外や民活プロジェクト等、幅広く業務を担当する。また、銀行本体の業務のみならず、約11年間に亘り関連会社で企画部長やIT関連会社の代表取締役を務めるなど幅広くマネジメント経験を積む。特に2000年以降はインターネット関連を初めとした新規業務の立ち上げや数多くのアライアンスに取組む。
直近では、三井住友銀行の国内外の法人向け決済サービスの企画開発およびインターネット関連業務ならびに営業推進を担当するEC業務部長として、先進的なビジネスモデルや新商品開発に注力し本邦メガバンクでは、国内NO1・アジアNO1のポジションにまで、その地位の向上に貢献する。
2010年4月から2012年3月まで三井住友銀行執行役員。
2013年1月、ジーニアスに参画。「三方よし」の精神をベースに、常に既成概念に囚われない新しい「アイデア」と「情熱」をもって、企業の組織活性化とシニア人材の有効活用を実践する。
-浅井 いままで担当された案件は?
-福田 決済システムの案件などは面白かったですね。
今、ECマーケットの広がりとともに色々と新しい決済システムが登場していますよね。
paypalとか電子マネーとか。もちろん従来のカード決済もありますが。
決済の手段はいろいろありますが、決済システムのプラットフォームの基本的な仕組みはあまりかわらないんですよ。
近年、新たな決済手段の登場にともない新規参入してくる企業が増えているのでシステム分野で決済に明るいエンジニアが求められる傾向にあります。
特にカード決済のシステムを経験したエンジニアなどは応用が利くので需要がありますね。
-浅井 時期的に今が特に多いということでしょうか?
-福田 システムエンジニアなので決済の業界だけでなくインターネットサービス業界全体として、常に人材の募集がありますね。
ITに詳しいエンジニアは継続的にニーズがありますが、IT情報サービス業界でSEとして基本的なスキルを身に付け、インターネットサービス業界で発注サイドのシステム開発の
経験をした人が求められていますよね。ただし、10年前と比べると、もう今はインターネットサービス業界内で人が動くような状態になっていますね。
-浅井 シニアの求人というところでいうといかがですか?
-福田 シニアはインターネットサービス業界ではなかなか厳しいですね。年齢的にも求める人材が35歳前後までというケースが多いです。
それ以上になるとマネージメント層になってしまいますよね。そうなると募集人員も限られてきて難しい。
この業界が求めているのは、マネージメント層よりも若手から中堅のエンジニアが主体。
シニアの場合は、エンジニアとして求められる企業は、中堅企業のシステム責任者のようなポジションになると思います。
大企業では50歳前後になると担当者の立場から離れてしまっているケースが多いため、担当レベルの感覚を失わないことが必要ですね。
中堅企業のポジションは、エンジニア兼マネジメントになるので、自分の手が動かないとついていけない。
なんとか今の会社でエンジニアとしての力量を維持することを考えた方がいいかもしれないです。
転職も考えるべき!?
-浅井 でもそれって難しいですよね?長年企業に勤めるといつかはマネージメント層の仕事を任せられる。いつまでも現場のエンジニアでいる自由はない。その場合はどうすればいいですか?
-福田 転職も選択肢として考えておくべきでしょうね。まずは自分がシニアになったときに、どんな仕事をしたいのかを見極めて、それに沿った仕事ができる企業を探すべきじゃないですか?
現実は、マーケット価値があるのは現場に近いエンジニア兼マネジメントということなんですよ。
面接のときに話が広がりが出る人
-浅井 では、こんな人は採用が決まりやすいなというのはどのような人ですか?
-福田 これまでの実績が十分評価出来てかつ、今後何が出来るかという期待値が感じられる人ですね。
つまり実績とその人の能力が見えて、今後この人がその能力を発揮して大きな成果をあげられるであろうという期待感を感じられる人じゃないですか。
-浅井 どういうところからそれを判断するんですか?
-福田 面接のときに話題に広がりが出るんですね。そういう人は。
聞かれたことを応えてるんだけど、答えだけじゃなくて+αを相手に投げかけができるんです。
面接において、相手からの質問が”1″に対して”1.5″で答えを返せる人ですね。その0.5に今後の伸びしろやポテンシャルの高さを感じるんですよ。そこにその人の持ってるポテンシャルが表れるんでしょうね。
-浅井 エンジニアや技術職って何ができるかというスペックで判断されるイメージなんですが違うんですか?
-福田 必ずしもそうではないですよ。特にインターネットサービス業界などは新しいビジネスをやろうとしているので、「これだけが出来ます」というんじゃなくって、広がりを求めているんですよね。スキルを基にしてどんなふうに広げてくれるのかって。
それがポテンシャルですよね。いろんな状況に対して対応できるベーシックな能力があって、それをきちんと具現化できるかっていうのをみていますよね。
インターネットビジネスの特徴として既存ビジネスで人を取ろうとしていない場合が多いんです。新しいビジネスをつくっていく中で、今までのフィールドで得たことを活かせる人を求めているんです。
いままでと同じことをしてくださいと言って人を採用する場合もありますが、インターネットサービス企業の場合これまでの経験や能力を違うステージでも活かせるポテンシャルがあるかどうかなんですよ。
いままでの経験の殻を破れない人は採用されないですよ。
中堅規模の会社だと特にそうですね。案件的にもそういう規模の会社が多いですから。
ある程度大きな規模のインターネットサービス企業は、もうある程度のレベルのひとでないと中途では取らないです。新卒採用が出来るようになってますから。
重要なのは臨場感
-浅井 書類などはどうですか?
-福田 レジュメでいうと、具体性と臨場感だと思います。湧き出てくるイメージがあると目に留まりますよね。まずは書類だけで、見られるわけですから。
-浅井 臨場感とは?
-福田 読んでいてイメージがわくということですね。自分の実績を表現するときに、この人たぶんこういうこともできそうだなと思わせることが重要です。
あとは、自分が良くわかっている人。長所も書くけど、短所も認識して書ける人ですね。
自分をわかっていないと、受ける会社も間違っていることがありますからね。それをわかることは、転職活動を始める前の前提条件ですよね。
会社に守られてきた時代から自分の身は自分で守る時代
-浅井 求職中の方にアドバイスはありますか?
-福田 会社に守られてきた時代から自分の身は自分で守る時代になってきているので、やっぱり自分は人と違って何ができるのかを常に考えて、会社から放り投げられた時にこれで勝負できる領域が何なのかを認識することですね。
いかに自分が「尖ったもの」を持っているか?これからの時代はジェネラリストを求めているのではなくて「スペシャリスト」が強くなっていくので、日頃から自分の得意技がなんなのか認識して、そこの技術をおとさないということが大事じゃないですかね?