-第6回-リタイアに向け、考えておくべき7つのこと
ここまでは、ツールを使ったリタイアメントプランニングについて説明してきました。
今回は、7つの質問に答える形で、今後の人生のことを考えてみてください。
【Q1.】誰とどこで暮らしたいですか?
【A1】 と、 で暮らしたい。
「え?今のまま…だと思うけど…」という人が多いかもしれませんね。「自分が生まれ育った土地に帰りたい」という人はいますか? 「元気なうちに、海外ロングステイなどで海外暮らしを楽しみたい」「長野県の山小屋で暮らしてみたい」「結婚した娘や息子一家と二世帯住宅などを建てて近くに住みたい」など、いろいろな希望を持っているなら、実現性はどうあれ正直な気持ちを書いてみてください。
生活の場所は、暮らし方のベースとなります。次の問いである「何をしたいのか」にもつながる部分です。住宅関係の費用は家計支出で大きなウェイトを占めているので、家計の面からも重要です。
【Q2.】これから、どんなことをしたいですか?
【A2】行きたい場所:
やりたいこと:
幸せなセカンドライフに欠かせない3つの要素があります。「健康」「お金」そして「生きがい」です。健康でお金があっても、生きがいがなければ、楽しく幸せに暮らすことは難しいですね。
行きたい場所、やりたいことなど、これまでの人生でやり残したことは、ありませんか?あとから人生を振り返って後悔しないために、思いついた順に書き出しておいて、ひとつずつ実現していけたらいいですね。
【Q3.】リタイアまでに、いくら準備できましたか? /いくら準備できますか?
【A3】
- 退職金 : 万円
- 貯蓄など: 万円
- その他 : 万円
連載の第三回目で書いたように、リタイアメントプランを考えるときや、家計の見直しをするときには資産のたな卸しが欠かせません。退職金額(予定額)や、老後資金として準備した貯蓄(予定)額、これから受取る予定の養老保険の満期金などを書き出してみましょう。
【Q4.】リタイア後の定期収入は、どこからいくらもらえますか?
【A4】
<公的年金>
(自分) (配偶者) ●●歳~●●歳 万円/年 ●●歳~●●歳 万円/年 ●●歳~●●歳 万円/年 ●●歳~●●歳 万円/年 ●●歳~(終身) 万円/年 ●●歳~(終身) 万円/年 <その他>
(自分) (配偶者) ●●歳~●●歳 万円/年 ●●歳~●●歳 万円/年 ●●歳~●●歳 万円/年 ●●歳~●●歳 万円/年
公的年金とその他の年金(企業年金や個人年金など)を、何歳から何歳までいくらもらえるか、ご存知ですか? 公的年金はリタイア後の収入の要となる大事なものですから、ねんきん定期便などを確認して、具体的な金額を書き出しておきましょう。 企業年金や個人年金は、受給前であれば受取開始時期を遅らせたり、受取方法を変更したりすることもできます。どのように受け取るか決めるためにも、収入の全体像を把握しておきましょう。
【Q5.】生活費は何に重点をおき、何を減らしますか?
【A5】
減らしたくない支出:
減らす支出 :
余程の資産家でない限り、年金だけの生活になれば支出の見直しが必要になります。現役時代と同じようなお金の使い方をしていると、老後資金はあっという間に底をついてしまいます。とはいえ、節約ばかりの生活は楽しくありません。
そこで提案したいのは、「こだわりたいから大きくは減らさない」支出を決めた上で、それ以外の支出は「思い切って減らす、なくす」方針で見直しをすることです。少ない年金でも上手にやりくりしている人の例として、つぎのようなものがありました。
・食材にこだわりたいので、交際費を極力減らす。形だけのお中元・お歳暮はやめて、
大切な人には、旅先などでおいしいものを見つけたときに贈る。
・年に一度の旅行と趣味にはお金をかけたいので、食費、日用品費、水光熱費などは
徹底的に節約。自動車はあまり乗らないので手放した。
・生活に便利な場所にあるコンパクトな住まいに引っ越して、住宅にかかる費用や固定
資産税、水光熱費、交通費などの生活にかかる支出を減らし、趣味の費用を捻出。
収入が減るからとすべてをあきらめたり、ムキになって節約に励みすぎたりすると、もっとも大切な「生活を楽しむこと」ができなくなります。メリハリを付けた家計運営を心掛けるといいですね。
【Q6.】リタイア後の生活を夫婦や家族で話し合いましたか?
【A6】 □はい □いいえ □これから(時期: )
家族がいる方、特に配偶者がいる方は、この項目が最も大切かもしれません。
夫の方は「長男なのでリタイア後は故郷に帰る」つもり。一方、地元密着で生活してきた妻は「ここに腰を落ち着けるため家をリフォームする」つもり。そんな夫婦が退職金をもらった後に自分の計画を実行しようとしたら…。どちらかが譲歩しない限り、大喧嘩になって別居や離婚にいたることもあるでしょう。いわゆる熟年離婚は、こういった気持ちのずれも大きな要因のひとつです。
「長いつきあいだから、言わなくても相手は自分の気持ちをわかってくれるだろう」という甘い考えは捨てて、なるべく早い時期に、自分の希望や気持ちを相手に伝えてみてください。事情があって別の場所で暮らしているカップルでも、時間をかけて話し合った結果なら、家族関係は壊れていないようです。相手を理解し、相手に理解してもらうという姿勢が大切ですね。
【Q7.】おひとりさまになったら、どうしますか?
【A7:】 □独居 □子どもと同居・近居 □高齢者住宅に入居 □その他( )
「おひとりさま」とは、一人暮らしの人のこと。若い頃のおひとりさまは、気楽なイメージがありますが、心身の衰えがみられる高齢期のおひとりさまは、生活していく上でいろいろなサポート、つまり他人の手助けが必要です。
多くの男性既婚者は、「妻や子がどうにかしてくれる」と考えるようです。しかし、もし妻が先に亡くなったり、要介護状態になったりしたら、妻には頼れません。お子さんがいる人でも、転勤などで遠い場所に住むこともあるでしょう。そういう状態で独居を続けるなら、人を雇ったりさまざまなサービスを利用したりする必要があります。
いつまでも健康でいられるよう、運動し、食べ物に気を付けると同時に、一人で暮らせなくなったときにどうしたいか、考えてみてください。
25歳は「お肌の曲がり角」、50歳前後は「更年期」そして75歳は「後期高齢者の仲間入り」と言われるとおり、多くの人は年齢の節目ごとに身体や心の変調が出て、年齢とともにあちこち衰えが見えますが、20代のときには50歳の自分、50代には75歳の自分というものは想像しにくいものです。親の姿を見て、ハッとすることがあったら、それは将来の自分の姿です。そういう目で母親を見るようにしたら、昔より優しく接することができるようになりました。