そもそも必要?不必要?公共施設の老朽化

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昨年、区の体育館が近所に新設されました。新しく設備も整っているので、お天気が悪く外を走れないときなどに、ランニングのトレーニングに通っています。
トレーニングルームの1回あたり利用料金は520円。公営の施設にしては高いと思いながらも、毎日利用するわけではないし、新しいし…と納得するようにしています。

そんな折、「公共施設に関する住民意識調査」の結果を目にしました。(日本政策投資銀行2012/12月、20-69歳の全国の市または東京23区在住者対象)現在ある公共施設の総量を見直すことに、8割の人が賛成しており、特に年齢層が高いほど見直しに賛成の人の割合が多いというのです。
このような調査が行われる背景には、公共施設の老朽化という問題があります。
道路や橋梁などのインフラ老朽化はマスコミなどでも最近かなり話題になっていますが、市役所などの庁舎をはじめ、図書館、博物館、体育館、集会所などの公共施設についても、当然同じように老朽化は進んでいます。
耐用年数まで10年未満及び耐用年数を超えている公共施設の割合は、全国平均で43%に上っているそうです。(総務省資料による)

さらに、一般的な公共施設の耐用年数は50年とのことですので、例え耐用年数まで間があったとしても、2-30年前に建設された施設では、IT化が進めにくいなどの使いにくさや様々な制約もあることでしょう。
前出の調査でも、「公共施設の老朽化が進んでいると思う」という人の割合は、どの年代でも半数を超えており、平均では6割以上に達しています。
老朽化設備は、対策を施して維持するか建て替えるかということになりますが、そのためには多額の費用がかかります。
そのことに対し、「現在あるものに優先順位をつけて必要なものだけ建て替え、維持する」とする人は平均で63.6%、60代に限ると68.2%に達しています。
さらに60代では、「将来の子供・孫に負担がかからないように総量を積極的に削減する」とする人も2割を超えており、あわせると60代の9割近くが総量を見直すことに賛成しているということになります。
削減するとした場合の焦点として多くの人が挙げているのが、「一部の個人・団体にしか使われていない」「利用者が少ない」なのですが、そう答えている人たちも、ほとんど利用していないというのが実情です。
施設の種類にもよりますが、最も利用頻度が高い“教育文化施設(図書館、公民館、美術館など)”でも、月に1-2回以上使っているという人の割合は平均で34%。

皆さんは地域の図書館や体育館を使っていらっしゃいますか?
この調査の60代の結果を見ると、“教育文化施設”が37%、集会所などの“コミュニティ施設”が16.3%、体育館、プールなどの“スポーツ施設”となると1割に満たないのですが。
利用していない理由としては、すべての公共施設において「利用する機会がない」が8割とダントツです。
公共施設は、そもそも住民サービスの一環として設置されているものであるハズ。それを「利用する機会がない」と住民が捉えているというところに、問題の根本があるのではないか… 
そんなことを考えさせられる調査結果です。