NISA-認知度の高さと理解度の低さ
NISA口座開設数はスタート時点(2013年末)で約475万件
この1月から少額投資非課税制度(NISA)が始まりました。皆さんは既に口座を開設されましたか?口座を作るに当たって、どこでどのように情報を入手しましたか?
NISAは、個人資産を貯蓄から投資に振り向けることを目的として、年間100万円の元本を上限に、株式や投資信託への投資で得た配当金や譲渡益を5年間非課税とするという制度です。
この適用を受けるためには、金融機関に口座を設け手続きをしなければなりませんが、その口座開設数はスタート時点(2013年末)で約475万件。
政府が掲げている2020年に1500万件という目標の、既に3分の1近くに達しているそうです。
認知度と理解度の乖離
制度開始に先立ち、12月に50-79歳のシニアを対象にNISAの認知度や情報入手ルートを尋ねた調査の結果があります。(シニアコム「NISAに関するアンケート」 2014年1月)
これによると、NISAの概要を知っているという人の割合(認知率)は9割近いのですが、特徴や内容、留意点などの詳細となると、皆が皆きちんと理解できているというわけではない様子が伺えます。
皆さんは、以下の項目についてご存じでしょうか?
・ NISAは金融商品ではなく制度である
・ 利用にはNISA口座が必要。口座は一人一口座のみ
・ 投資金額は年間100万円まで
・ 非課税期間は最長5年間
・ 口座開設可能期間は10年間(2023年まで)
・ 金融機関によってNISA口座で購入できる金融商品が異なる
上の3つは、理解しているという人の割合が75-80%と高かった項目ですが、下の3つについて理解しているという人の割合は半数程度に留まっています。
「金融機関によって購入できる金融商品が異なる」というのは、どこに口座を開設するかを決めるにあったって大きな決定要因となるはずですが、実は十分には理解されていないという実態もあるようです。
では、このようなNISAに係る情報は、どこからどうやって入手しているのでしょうか。NISAを認知した媒体、NISAの特徴を理解について、主な媒体・手段をピックアップしてみました。
認知をした割合と理解した割合を比べてみると、新聞やテレビといったマス媒体ではそのギャップが大きく、幅広い人に情報を伝えてはいるものの、詳しい内容までは十分に伝えきれていないことが伺えます。
金融機関側は、マス媒体で広く告知をすると同時に、ダイレクトメールやインターネットで詳しく情報を提供したり、個別に説明を行って理解をしてもらう必要があるようです。
アンケートでは、「よくわからずに口座開設をしてしまった」「必要のない口座開設をしたと感じた」などという回答も見られたとのこと。
認知度と理解度のギャップなどから考えても、利用者である私たちは、新聞やテレビから聞こえてくる情報だけでわかったつもりになって行動してはいけない、ということのようです。