60代のテレビの視聴時間
暑い夏。ついつい自宅でエアコンをかけながらテレビの前に座りっぱなしという時間が増えてしまってはいないでしょうか。60代の平日のテレビの視聴時間は256.4分。全世代平均の170.6分の1.5倍、10代の91.8分の約2.8倍にものぼっているのだそうです。
(総務省「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」)。
もう少し詳しく、60代シニアのメディア行動の特徴について見てみましょう。
資料:「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」総務省
グラフを見ていただくと、ネットの時代とは言われていても、ネットの利用時間がトップなのは10代と20代に限られており、全体的にはまだまだテレビの視聴時間が長いことがわかります。シニアがネットを駆使する時代になったとはいっても、60代のネットの利用時間はわずか32.2時間。1日当たりにすると6分半にしかすぎません。
また、世間で言われているラジオ離れ、新聞離れというのも、このグラフから明らかです。新聞の利用時間は全体平均で12.1分。10代、20代はもちろん、30代でも4.1分と5分足らずです。40代でようやく9.3分と10分近くになるのですが、10分では新聞を通して読むことはまず無理でしょうから、 “見ている”程度だといえましょう。一方、60代では31.1分。隅から隅までじっくり読んでいる姿が伺えます。ラジオも、30代以下の利用時間は10分足らずでしかありませんが、40代50代になると10分台となり、60代では40分を超えています。60代のシニア層においては、トラディショナルな新聞、ラジオ、テレビというメディアが、絶対的な存在であるということが、統計データで示されているというわけです。
在宅時間が増えると各メディアの利用時間も増える傾向があるとのことですが、テレビのリアルタイム視聴に関してはそれが顕著で、在宅時間が長くなるほど利用時間が増える度合いが大きいそうです。60代では、第一線を退いたりして家にいる時間が増えており、睡眠以外の在宅時間は平均すると600時間と一日の4割を超えています。これが、テレビの視聴時間を長くしている一因かもしれません。
「第二の人生に関する調査」という別な調査で、50代以上の人に第二の人生で増やしたい時間・実際に増えた時間というのを聞いているものがあります(ゆこゆこシニア調査レポート「第二の人生に関する調査」2015/4/9)。理想として増やしたいと考えているのは「国内旅行」「趣味」「海外旅行」などの時間。一方、第二の人生が始まっているという人たち現実を聞くと、もちろん旅行や趣味の時間も増えてはいるようですが、「テレビを見る」時間が増えたという人も33.4%と3人にひとりにのぼっています。ちなみに、第二の人生が始まる前に、「テレビを見る」時間を増やしたいとした人は5%足らず。やりたくてやっているわけではない、仕方なくそうなってしまっている、というのが現実のようです。
家にいて他にやることがないと、ついついテレビをつけてしまう、つけると見てしまう…そんな60代シニアの姿があるようです。