シニアの夫婦関係-夫婦円満の秘訣とは-
シニア婚活について(老後はおひとりさま?-シニアの結婚の意識-)以前ご紹介しましたが、今回はシニア夫婦の現実について見てみましょう。
中高年夫婦は円満ではない?!
「熟年離婚」と盛んに言われながら、長年連れ添った夫婦の離婚件数が実際にさほど増えている訳ではないことは以前にもご紹介しました。同居期間20年以上を経て離婚した夫婦の数は2000年以降ほぼ横ばい。同居期間30年以上絞り込んでも、ここ数年は11,000~12,000件で推移しています。
では、夫婦円満、仲良く暮らしているのか…というと、必ずしもそうではなさそうなのです。「いい夫婦の日」を進める会が実施した調査によると、“現在夫婦が円満だと思うか”という問いに対し、60代女性の17%が「あまり円満ではない」「円満ではない」と答えています。60代男性が8%であるのと比べると、大きなギャップがあります。50代では、男性7%女性9%とさほど差がないのですが、60代になるとその差が開き、特に「円満ではない」と言い切っている女性が1割近く(9%)に達するというのは、少々驚きでもあります。
さらに、この調査では“生まれ変わったら今のパートナーを選ぶか”という質問もしているのですが、60代男性の42%は「もちろん今の相手を選ぶ」と答えているのに対し、50代女性の36%、60代女性の34%が「別の人を選ぶ」と答えています。
どうやらシニア世代の夫と妻では、夫婦関係の現状認識に関してギャップがあるようです。不満を貯めていたり、冷めた目でみている妻も多いような… 男性の皆さん、大丈夫ですか?
夫婦円満の秘訣は…『コミュニケーションスタイル』
先日もテレビ番組で、夫からのストレスが原因となり妻に発症するという「夫源病(ふげんびょう)」をとりあげていました。夫源病とは、夫の無神経で鈍感な言動が強いストレスとなり、妻の心身にめまい、動悸、頭痛、不眠……といった更年期障害のような症状が出てしまう病気で、良妻賢母型の女性に多いとも言われています。夫のほうには、自分が原因になっているという自覚は全くないとのこと。
番組では
会話に関して、自分の言うことを聞いてくれていない、夫が自己満足的な会話になっている(夫は会話が成り立っていると思っている)とストレスを感じている妻が多いとして、夫婦の会話のすれ違いの様子を紹介していました(「みんなの家庭の医学」2014/7/8放送)
家庭での会話は、仕事中の会話とは内容もテンポやペースも全く異なります。さらに、女性と男性では、興味関心の方向性が違うことはもちろん、コミュニケーションスタイルも違います。そのあたりをお互いが理解して、相手のことを考えながらコミュニケーションを図っていくことが必要となりそうです。
夫源病を命名した石蔵文信医師によると、夫婦関係を長続きさせるポイントは、良い意味でのあきらめと、適度な距離感とのこと。これまで培ってきた関係もあるとは思いますが、この先の生活を見据えて、夫婦のあり方や夫婦間のコミュニケーションについて、一度考えてみてもいいのかもしれませんね。