シニアをターゲットに-ヤマハ、第一興商などシニア向けサービス-
シニアにとって、身近なレジャーというと何を思い浮かべますか?スポーツクラブやジョギングなど、アクティブに体を動かすというのもいいですが、ゆったり音楽を楽しむというのはいかがでしょうか?
かつてヤマハのピアノ教室に通っていた、という方もいらっしゃるかもしれませんが、今ヤマハが力を入れているのが「大人の音楽レッスン」。ピアノはもちろん、ギターやバイオリンなどの弦楽器、トランペットやサクソフォン、さらにはゴスペルコーラスやオカリナまで、様々なコースが揃っています。全国で展開しており、「30代から60代まで、約11万人が在籍。男性が約4割」(Sankei Biz 2013/11/25)とのこと。「2003年には約15%だった50代以上が、2011年には約40%」(マイナビニュース 2014/2/3)にのぼっているそうです。
団塊の世代の皆さんの多くはビートルズやグループサウンズに熱狂したり、一度はギターを手にしたのではないでしょうか。時間ができて昔やっていた楽器の演奏やバンド活動を再開したり、何か新しいことにチャレンジしようと思った時に聴く専門だった音楽に目が向くという人々が増えているようです。
ちなみに人気があるのは、ピアノ、サクソフォン、ドラム、フルート、バイオリンの順とのこと。入会者の約7割は全くの初心者で、「楽譜が読めなくても、初めて楽器に触れる方でも大丈夫」だそうなので、尻込みせずに門をたたいてみてもよいかもしれません。
楽器の演奏はちょっと敷居が高いという方には、カラオケやゲームはどうでしょう。日中のカラオケ店やゲームセンターは、今やシニアが主要なターゲットになっています。
通信カラオケ大手の第一興商は、楽曲と体操プログラムなどを一体化した介護予防ソフトを専門家と共同開発。曲に合わせて体操しやすいように編曲をしたり、模範映像にレトロな映像を使ったりしているとのこと。単に部屋にこもって熱唱…ではあまり健康的なイメージではありませんが、同時に体を動かすこともできれば、健康増進にも役立ちそうです。
ゲームセンター運営会社のカプコンが実施しているのは、ゲームを無料体験してもらう「シニアツアー」。ゲームセンターというと、大の大人が足を踏み入れるところではなかったり、あまり健全なイメージではなかったり、というところも無きにしも非ずですが、実際にゲームを試してみると、「手を動かすのでボケずにすみそう」「老化防止に役立ちそう」などという声があがるそうです。シニアが安心して楽しめるように、店にサービス介助士の資格を持つスタッフを置くなどの取り組みも行われています。
少子化による需要の減少で、カラオケの利用人口はピークだった1995年度から2割減少。ゲームセンターの市場規模も、ピーク時の2006年度から33%マイナスとのこと(日本経済新聞 2014/2/19)。若者向けとされていたこれらのサービス事業者の目が、今後も増えていくシニア層に向くのも当然といえば当然です。シニアにとって、無理なく、気軽に楽しめるレジャーがどんどん増えていきそうです。