‐最終回‐仕事の基本、活性化した職場の中で活き活きと生きる

堤

このシリーズの最後となりました。企業で仕事するとした場合、職場の目標や仕事の改善に向ってみんなが関わる所から、全員が活き活きと元気よく働くようになること、それが健康で働く一番の基本であるということ、を理解していただきたいと思います。
それに必要なことは、話を聴くスキル、コミュニケ―ション力によるチームワークを作ること、その結果それぞれの人間力が成長していくことを実感する。
これが健康に働き、長生きに繋がる究極の有力な方法であることを提唱しようと思います。

私は長年ある会社で働いてきましたが、4つ目の課長職は、自動車部品の材料を開発し、寡占的な競争をしている部品メーカーに売り込む、という仕事でした。材料の開発には、時間がかかったのですが、新しい事業として決定され、材料の開発技術や製造技術、生産、加工の管理から製品のデリバリー管理、最後に営業が材料を送るところまで、役割の分担が出来、事業がスタートしました。
私が営業課長ですから顧客の情報をこのラインに伝え、いろんな注文を的確に説明せねばなりません。場合によっては、工場に来て頂いたり、逆に先方に行って製品の質を確認しながら、少しづつ事業が形作られていったのです。
仕事がうまくゆくということは、このようなチームワークが形作られるということであると言えます。私は4年間関わりましたが、よくまとまって気持ちよく仕事が出来ました。

先日その連中が、年に一度ホテルのランチを食べる程度の、催しともいえぬ会合に集まるので参加したのです。
昔話から始まって近況報告となり、それぞれに毎年、この人はどんな生き方をされているのかを聴くことによって、人間としてどのような成長をされてきたかが分かります。お互いにそれぞれの話をそれぞれなりに内容を聴きとって、自分のことのように感じとります。
困っていることなどを話して、それぞれの人の発する感想から解決のヒントを貰うこともあります。落ち込みから、元気づけられることも多くあります。

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いろんな健康状態、経済状態の方がいると思いますが、職場の健康な状態、活性化を自ら実践してきた自信が、現在のそれぞれの現実に対して、恐れ、退却に向かうのではなく、何らかのプラスの成果を見つけ楽しもうとする基礎が出来ていると思われます。

ここに、仕事の原点というべき楽しさがあり、個人と組織の間にあるチームワークの力を読み取ることが出来ます。

そこで、一時代前の、我々の時代の働き方が、企業主導で年功序列、終身雇用を前提としていたのに対し、これからの皆さんの働き方は個人主導でグローバルな基準に耐えられ、根本的に異なるパラダイムから出発しなければならないことが前提でなければなりません。

残念なことに新しい人材育成の基本構造がどのようなものなのか、明確な形ははっきりしていませんが、個人個人のキャリア発達の尊重と、組織の考えるキャリア発達の枠組みに対し、同等の立場からの自由な意思の疎通が行われ、相互依存、相互選択の考え方の中から、職場の活性化が行われ、それぞれの生きがい・働きがいをどのように実現するかについて、WIN・WINの関係が構築できなければならないのでは無いでしょうか。

ここでキャリア・カウンセリング、コンサルティング、が必要な道具として活用され、キャリア・発達の段階に応じて生じてくるキャリア課題にどのように対応していくかを考えることになります。
組織の中で、適正で柔軟な解決策が出てくるであろうし、それに対応する社会的な制度の開発もどんどん変化していくものと思われます。

キャリア開発の新しい時代に、新たな組織開発が行われることを期待したいものです。