ソーシャルメディアの利用動向
総務省のメディア利用に関する調査から、ソーシャルメディアの利用動向についても見ていきましょう。
主なソーシャルメディア(Line、Facebook、Twitter、mixi、GREE、Mobage)の利用率は、全年代では62.3%。グラフを見てわかる通り、20代では95%、30代でも8割を超えています。
*主なソーシャルメディア(Line、Facebook、Twitter、mixi、GREE、Mobage)
資料:総務省「「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 2014」
若い世代のソーシャルメディアの利用率が高いのは、まあ当然でしょうから、40代以上に注目してみます。40代の利用率は2012年から2013年にかけて大幅に伸び、昨年調査では7割を超えました。50代は20%→30%→45%と、毎年着実に伸びています。
このデータを、モバイル機器の利用率をあわせて見てみました。
40代では、2012年までは圧倒的にフィーチャーフォン(従来型の携帯電話、いわゆる“ガラケー”)が圧倒的だったのが、2013年調査では逆転。一方、50代では2013年まではフィーチャーフォンが主流だったのが、2014年調査ではスマートフォンが肩を並べるぐらいにまで普及してきています。
スマホの利用率と、ソーシャルメディアの利用率はほぼ同じ。スマホにしたからソーシャルメディアを使うようになったのか、ソーシャルメディアを使いたいからスマホに変えたのか…
という目で、60代のデータを見ると、ソーシャルメディアの利用率は、増加しているとはいっても17.5%にとどまっています。一方、スマートフォンの利用率も18.3%(2014年)。前回調査より10ポイント増えているとはいっても、まだまだ圧倒的にフィーチャーフォンが主流なのです。
シニア層のソーシャルメディア利用の特徴は、使っている人は使っているが、その割合が少ない、ということにあります。ソーシャルメディアの“行為者率(調査対象者のうち行動をとった人の比率)”は2.7%と非常に低いのですが、一方で、“行為者平均時間(行動をとった人に限定した利用時間)”は36.3分。40代の41.9分、50代の37.4分と比べても、さほど短いという訳ではありません。使いだせば、慣れればそこそこ使いこなすけれど、使い始めるまでのハードルがやや高いということのようです。
40代50代と同じように、ある年を境にスマホの利用者がぐんと増えてソーシャルメディアを利用する人も増えるのか、一種の二極化現象につながっていくのか… ここ数年の動向が注目されそうです。
ちなみに、60代が利用しているソーシャルメディアはLine(11.3%)とFacebook(6.0%)が中心です。前年調査ではLineの利用率は5%に達していなかったので、ここ1年でシニア層に急速にLineの利用が拡大したことが伺えます。このデータに関し「孫とのコミュニケーションツールとしてLineを利用している」と分析しているものもあります。皆さんはいかがですか?各種のスタンプを取り揃えて、あちこちに送っていたりして…