地域おこし協力隊~地域活性化に一役買うのはいかがでしょう~

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これまで培ったスキルや経験を、地方の地域活性化に活かすというのはいかがでしょうか。

地方の活性化は成長戦略の核のひとつであり、様々な施策行われていますが、その中で注目されるのが「地域おこし協力隊」事業です。地方自治体が都市住民を受け入れ、一定期間以上(概ね1年以上最長3年)地域おこしの支援や農林水産業への従事、住民の支援などの地域協力活動に従事してもらいながら、当該地域への定住・定着をはかる取り組みで、総務省の予算のもと、協力隊員には年間400万円を上限として報酬と活動に要する必要経費が支払われています。

あまり一般には知られていないのかもしれませんが、2012年度には207の自治体に617名、2013度は318自治体に978名が派遣されており、地域に根付いた活動を行っています。ホームページに掲載されている最近の募集を見ると、地域おこし全般に関わるものから、道の駅開業支援(佐賀県白石町)などの具体的な事業支援や、鍛冶師見習い(青森県田子町)などのユニークなものまで、全国各地から様々な募集が寄せられています。

隊員数

この協力隊員を、2016年度までに現在の3倍に増やす目標が掲げられ、これまで三大都市圏や政令指定都市に居住する人に限られていた応募対象を地方の中核都市住民にまで広げたり、隊員による起業に上限100万円を拠出することが決まりました。来年度予算には、この制度を積極的に推進するために全国サミットの開催などで情報発信をするという事業も盛り込まれています。

引退後は田舎暮らしをと考える人は少なくはないでしょう。内閣府の世論調査(「農山漁村に関する世論調査」2014年6月)を見ると、60-69歳で都市地域に住む人の3分の1が、農山漁村地域への定住願望が「ある」「どちらかといえばある」と答えています。都市住民が田舎暮らしを考える際に不安を感じる点としては、医療機関の充実や買い物の利便性、娯楽施設の有無などといった、都市部と比べた利便性であったり生活の質が維持できるかどうかということがまずあげられます。しかしながら、ただのんびりと隠居生活を送るのではなく、何らかの活動をしたい、活躍できる場が欲しいと思う人も多いはずです。実際、先の世論調査によると、シニア世代が定住してやりたいと思っていることを見ると「何もしないでのんびり過ごす」という人は少なく、「地域の人たちとの交流・ふれあい」「自然観察」「農林漁業」「そば打ちや乳製品などの加工品づくり」などの活動があげられています。

地域おこし協力隊の受け入れ地域の多くは高齢化・過疎化に晒されており、若者や働き盛り世代の活力や発想力を求めているため、40歳以下、50歳までなどと応募に年齢制限があるところが多いのは事実です。多少腰掛気分の若者でも、数年住んで地域おこし活動に参加すると愛着をもってくれて定住にも結び付くかもしれない、という狙いもあるのかもしれません。しかしながら、本気のシニアにも門戸は開かれており、年齢制限のない募集も探せばあるとのこと。単なる趣味の農業やボランティアの地域おこしではなく、こんな政策・事業の活用を考えてみてもいいかもしれませんね。