日本の技術輸出、ハードだけではなくソフト面も
朝の通勤電車で、以前に見た、鉄道会社をテーマとしたテレビ番組を思い出しました。
事故や故障により電車のダイヤが乱れ、予定の運行がストップしたときのトラブル対応の様子が放映されていました。
列車のダイヤを引く熟練者(スジ屋というそうです)が、バーッと運行表を広げて、ダイヤの線を引きなおして行く。信号が調整され、車内にはお詫びのアナウンスが流れ、駅員は乗客を誘導して、、、と流れるように対応する関係者の姿に、また日本の鉄道システムの質の高さに、静かな感動を覚えたものです。
日本の鉄道が世界の注目を集めている。抜きんでた安全性や運行の正確性、スピードを誇るが、優れているのは車両などのハードだけではない。真の強みは、運行ノウハウや人材などのソフト面を含む総合力だ。環境意識の高まりや新興国の人口増加を背景に、世界規模で鉄道新設が相次ぐなか、インフラ建設から車両納入、人材教育までをトータルで請け負う「パッケージ輸出」の期待が高まっている。
日本の鉄道システムは、世界で最も正確だといわれます。
東海道新幹線だけで2011年度に12万本が運行されたにもかかわらず、1列車当たりの平均遅延時間はわずか30秒。
車両やシステムの技術面もさることながら、それを管理し、オペレーションする人々の力が、サービスの根幹を支えているのだと感じます。もちろん、列車運行の正確さを求める社会ニーズや、それに応えようとする企業側の姿勢や国民性、といった日本独自の要因もあるでしょうが、商品や技術と合わせて、高度なサービスの質を保つ管理ノウハウや安全意識といったソフト面をパッケージ化して輸出する、というスタイルは、これから様々な業種に広がっていくでしょう。
そして、日本発のハードソフト両面のパッケージ輸出を実現できる人材が、今後ますます必要になっていきます。